SNS広告とは
SNS広告は、Instagram、Facebook、LINE、X、TikTok、YouTubeなどのSNSの画面に、お金を払って出す広告です。多くは、ふだん見ている投稿や動画の流れの中に、投稿と同じような形で出ます。
SNS広告では、広告を届ける相手を、年代・地域・興味などで選べます。いくら使うか、いつからいつまで出すかも、広告を出す側が管理画面で決め、出したり止めたりできます。
SNS広告に使われるお金は、いまも増えています。電通などがまとめた『2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析』は、2025年のソーシャル広告について、次のように書いています。
ソーシャル広告は、前年比118.7%の1兆3,067億円となり、引き続き二桁成長を続けている。
出典:電通『2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析』(2026年3月5日)
SNS広告と比べられることが多いのが、検索結果に出るリスティング広告と、自社のアカウントで投稿を続けるSNSの運用です。3つの違いは、誰の画面に出るかにあります。
リスティング広告は、特定のキーワードで検索した人の検索結果に表示されます。商品やサービスについて調べている人や、依頼先を探している人に届けやすい広告です。SNS広告は、選んだ年代や地域、興味の人の画面に出ます。まだ探していない人に、会社やサービスを知ってもらう広告です。SNSの運用は、アカウントをフォローしている人や、おすすめに投稿が出た人の画面に出ます。
| リスティング広告 | SNS広告 | SNSの運用 | |
|---|---|---|---|
| どこに出るか | 検索結果 | SNSの投稿や動画の流れの中 | SNSの投稿や動画の流れの中 |
| 誰に届くか | そのキーワードで検索した人 | 届ける相手に選んだ年代・地域・興味などの人 | フォローしている人、おすすめに出た人 |
| お金のかかり方 | 主にクリックされた分 | 表示・クリック・再生など、媒体と目的で決まる単位の分 | アカウントは無料。投稿を作る手間がかかる |
| 止めたとき | その日から出なくなる | その日から出なくなる | 投稿をやめても、出した投稿は残る |
SNS広告は、年代・地域・興味などで選んだ相手の画面に、お金を払って広告を届ける方法です。探している人の前に出るリスティング広告と違い、まだ探していない人に届きます。
SNSの運用を続けるか、やめるかの決め方は、SNS集客の記事で解説しています。
関連記事SNS集客はもう古い?古いと言われる理由と、やめるか続けるかの決め方
SNS広告のメリット・デメリット
SNS広告のメリットとして、よく挙げられるのは次のようなものです。
- 予算を自分で決められる:決まった月額がなく、少ない金額から出せる
- 届ける相手を選べる:年代・地域・興味などで、届けたい人に絞れる
- 画像や動画で見せられる:文字だけでは伝わりにくい商品や仕事の様子を、目で見て分かる形で届けられる
- まだ探していない人に届く:検索する前の人に、会社やサービスを知ってもらえる
一方で、デメリットもあります。
1つ目は、広告を見た人が、その場ではすぐに問い合わせないことが多い点です。まだ探していない人に届けるので、広告を見て会社を知っても、すぐに頼む段階にあるとは限りません。
2つ目は、広告で知ったばかりの人は、会社のことをまだ知らない点です。広告をクリックして着いたページで、広告の続きが見えなければ、そこで帰ってしまいます。
3つ目は、画像や動画を作り続ける手間です。同じ広告を出し続けると、同じ人に何度も表示されて、見飽きられます。
4つ目は、広告の効果が、広告の管理画面だけでは分かりにくい点です。管理画面で分かるのは表示とクリックまでで、問い合わせたかは、計測タグが無いと分かりません。計測タグを入れても、広告を見てすぐにはクリックせず、あとで会社名で検索して問い合わせる人は、数えられないことがあります。
このほか、広告にコメントで批判を受けることもあります。コメントを誰が見て、どう返すかも決めておきます。
| デメリット | 何が起きるか | 出す前に決めること |
|---|---|---|
| 見た人はすぐには問い合わせないことが多い | 出してすぐに問い合わせが来ないと、続けるかを決められない | 試す期間と金額、続けるかどうかの判断基準(第7章) |
| 広告で知ったばかりの人は、会社を知らない | 着いたページで広告の続きが見えないと、帰ってしまう | 広告で約束することと、着くページ(第5章) |
| 画像や動画を作り続ける手間 | 同じ広告は見飽きられる | 比べたり差し替えたりする画像や文を、何通り用意するか(第7章) |
| 効果が管理画面だけでは分かりにくい | 問い合わせにつながったかが分からない | 計測タグと、何を成果として数えるか。「どこで知りましたか」の記録(第6章) |
SNS広告は、予算と届ける相手を自分で決められる一方、見た人がすぐには問い合わせず、効果も管理画面だけでは分かりにくい広告です。表の右の列は、第5章から第7章で、出す前に決めることとして説明します。
主なSNS広告と、出す先の選び方
SNS広告の主な出し先は、次の5つです。
| 媒体 | 広告が出る主な場所 | 主な課金の単位 | ホームページに入れる計測タグ |
|---|---|---|---|
| Meta広告 | Facebook・Instagram など | 表示1,000回あたり(目的によってはリンクのクリック) | Metaピクセル |
| LINEヤフー広告 | LINE・Yahoo! JAPAN のサービスなど | クリック・表示・動画の再生・友だち追加など | 計測タグ(LINEヤフーの管理画面「ビジネスマネージャー」で発行する) |
| X広告 | X | 目的によって、表示1,000回あたり・リンクのクリック・動画の再生など | Xピクセル |
| TikTok広告 | TikTok など | 表示1,000回あたり・動画の再生・クリックなど | TikTok Pixel |
| YouTube広告 | YouTube など | 広告の形式によって、視聴・表示・クリックなど | Google タグ |
※課金の単位と計測タグの名前は、各媒体の公式のヘルプによる(2026年10月時点)。広告の目的と形式で変わる
LINEの広告は、2026年4月に、LINEヤフー広告に統合されています。LINEヤフーは、次のように案内しています。
2026年4月1日、LINE広告とYahoo!広告ディスプレイ広告(運用型)は統合し、「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)」となりました。
出典:LINEヤフー for Business『LINEヤフー広告 ディスプレイ広告』
統合する前のLINE広告は、配信を止める予定です。停止の日は、次のように案内されています。
新規作成・編集および、広告配信の停止:2026年10月26日(月)予定
出典:LINEヤフー for Business『【LINE広告】LINE広告の機能停止および配信終了スケジュールのご案内』(2026年9月25日)
2026年10月時点では、これからLINEに広告を出すなら、LINEヤフー広告として出すことになります。
どのSNSに出すかは、届けたい相手が、ふだんそのSNSを使っているかで選びます。年代ごとに、どのSNSを使っている人が多いか(利用率)は、SNS採用の記事で、総務省の調査をもとに表にしています。
そのうえで、見せたいものがそのSNSの形に合うかを見ます。写真で仕事の仕上がりを見せたいのか、動画で作業の様子を見せたいのか、文章で考え方を伝えたいのかで、合うSNSは変わります。最初は1つに絞ったほうが、結果を見て判断しやすくなります。
出す先は、届けたい相手がふだん使っているSNSと、見せたいものの形で選びます。最初は1つに絞って始めます。
SNS広告の費用:課金のしかたと、月の予算の決め方
SNS広告の費用は、表示やクリックなどの課金の単位と、その単価・回数で決まります。たとえば、クリックで課金されるなら「クリック単価×クリックされた回数」、表示で課金されるなら「表示1,000回あたりの単価×表示された回数÷1,000」で計算します。
課金の単位は、媒体と、広告で何を目的にするか(管理画面で選ぶ広告の目的)で変わります。Metaの広告は、基本は表示された回数で課金されます。Metaのヘルプは、次のように書いています。
広告の作成時に特に指定されない限り、通常、広告が獲得したインプレッション数に基づいて料金が請求されます。
出典:Meta『Metaの広告料金の請求のしくみ』
インプレッションは、広告が表示された回数のことです。表示で課金される場合は、クリックされなくても費用がかかります。リスティング広告は主にクリックされた分だけかかるので、ここが大きく違います。LINEヤフー広告にも、クリックされた分だけかかる課金のしかたがあり、〈クリックされなければ料金はかかりません。〉と案内しています。
出典:LINEヤフー for Business『LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の料金・費用』
SNS広告には、決まった月額がありません。X広告のヘルプは〈X広告には最小金額が設定されておらず〉、Metaのヘルプは〈Metaに広告を掲載する際は、広告に費やす金額を決められます。〉と書いています。予算は広告を出す側が決め、その範囲で費用がかかります。ただ、媒体によっては、1日の予算に最低額を設けているものもあるので、出す前に確かめておきます。
出典:X『X広告の料金』/Meta『Metaのテクノロジーでの広告の費用』
ただし、1日の予算を決めても、毎日その金額ちょうどで止まるわけではありません。Metaのヘルプは、1日の予算について〈日によって予算を最大75%上回ることもあれば、最大75%下回ることもあります。〉としています。同じヘルプは、続けて〈1週間では、1日の予算の7倍を上回る金額を消化することはありません。〉とも書いています。日ごとには上下するので、予算は1日ごとではなく、週や月の合計で見ます。
出典:Meta『予算について』
相場としては、クリック1回あたり数十円〜200円程度、表示1,000回あたり数百円〜1,000円前後という単価がよく挙げられます。月の予算は、試しに出すなら月数万円〜10万円程度、続けて出すなら月10万〜30万円程度という額がよく挙げられます。
ただ、この額は、媒体も業種も届ける相手も違う会社をまとめた目安です。単価には、決まった額がありません。Metaのヘルプは、次のように書いています。
Meta広告では、広告の入札価格とパフォーマンスに基づき、広告のインプレッションを競い合うオークションシステムを利用します。
出典:Meta『Metaの広告料金の請求のしくみ』
広告が表示される機会を、広告を出す会社どうしで競り合う、ということです。同じ相手に広告を出したい会社が多ければ、単価は上がります。
月の予算は、問い合わせ1件にかけてよい費用から逆算します。まず、問い合わせのうち契約になる割合と、1件の契約で残る粗利から、問い合わせ1件に払える最大の額を出します。そこから、営業の手間など広告のほかにかかる費用を見込んで、問い合わせ1件あたりで確保したい利益を差し引いた額を、1件あたりの目標の費用にします。この記事で「1件にかけてよい費用」と書いているのは、この目標の費用のことです。月の予算は、ほしい問い合わせの件数 × 1件あたりの目標の費用で出します。数字を入れた例は、第7章に置きました。必要なクリックの回数は、来た人のうち問い合わせる人の割合で決まります。計算のしかたは、リスティング広告の費用の記事で解説しています。
関連記事リスティング広告の費用はいくら?相場より先に、キーワードの検索数で上限を見る
SNS広告で、この計算に当てはめるときに気をつけたいのは、届ける相手が違うことです。リスティング広告から来るのは、検索して探している人です。SNS広告から来るのはまだ探していない人なので、来た人のうち問い合わせる人の割合をリスティング広告と同じに置くと、予算が足りなくなります。実際の割合は、少額で試す期間の結果で確かめます(第7章)。
広告費のほかにも、かかるものがあります。
- 広告の画像や動画を作る費用
- 広告をクリックした人が着くページを作る、または直す費用
- 計測タグを入れる設定の費用
- 運用を代理店に頼む場合の手数料(広告費の20%前後とされることが多い)
手数料の仕組みと、自社で運用するか代理店に頼むかの考え方は、リスティング広告の費用の記事の第7章で解説しています。
SNS広告の費用は、媒体と目的で決まる課金の単位と回数で決まり、決まった月額はありません。月の予算は、問い合わせ1件にかけてよい費用から逆算します。
出す前に①:広告をクリックした人が着くページを決める
第5章と第6章では、SNS広告を問い合わせにつなげるために、出す前にホームページで準備することを説明します。1つ目は、広告をクリックした人が着くページです。
第2章で見たとおり、SNS広告で知ったばかりの人は、会社のことをまだ知りません。広告をクリックするのは、広告に書いてあったことの続きを見たいからです。着いたページがトップページで、広告の中身がどこにあるのか分からなければ、探さずに帰ってしまいます。
着くページは、広告で約束した中身が、そのまま見えるページにします。施工事例を見せる広告なら施工事例の一覧に、無料の相談会を案内する広告なら相談会の申し込みのページに着くようにします。
私が関わった、実績を見せるSNS広告でも、この形をとりました。広告では、見る人に近い実績を選んで見せる、と約束しました。着くページは、広告で約束した実績がそのまま並んで見える作りにしました。広告で約束したことと、着いたページで見えるものがずれると、クリックはされても、そこで終わります。広告と着くページで見せるものをそろえておくことは、会社の印象を一貫させることにもなります。
着いたページから問い合わせまで進んでもらえるか(ボタンの行き先や、フォームの項目の数)は、ホームページの問い合わせを増やす方法の記事で解説しています。
関連記事ホームページの問い合わせを増やすには?アクセスより先に、誰が来ているかを確かめる
例外もあります。Metaには、ホームページに移らずに、広告の上で連絡先を受け取れる形(リード獲得広告のインスタントフォーム)があります。Metaのヘルプは、次のように書いています。
インスタントフォームを使用すると、ビジネスやサービスに関心のありそうな利用者の情報を、FacebookやInstagramの外部に誘導することなく取得できます。
出典:Meta『インスタントフォーム付きリード獲得広告について』
この形なら、着くページは要りません。その代わり、届いた連絡先に、誰が、いつ連絡するか、どこに記録するかは、自社で決めておきます。
着くページは、広告で約束した中身がそのまま見えるページにします。広告の中身を変えたら、着くページも見直します。
出す前に②:計測タグを入れ、何を成果として数えるかを決める
2つ目は、広告から来た人が問い合わせたかを数える仕組みです。この記事でいちばん大事な準備です。
広告の管理画面で、何もしなくても分かるのは、広告が表示された回数とクリックされた回数までです。クリックした人がホームページで問い合わせたかは、ホームページに、各SNSの計測タグを入れておかないと分かりません。計測タグは、ホームページに入れるコードです。Metaのヘルプは、Metaの計測タグ(Metaピクセル)を次のように説明しています。
Metaピクセルは、ウェブサイトに配置するコードです。Metaピクセルを使用すると、利用者がウェブサイトで実行したアクションを把握して、Meta広告の効果を測定できます。
出典:Meta『Metaピクセルについて』
計測タグには、ホームページの全ページに入れる部分と、問い合わせなど、数えたい動きが起きたページで働かせる部分があります。たとえばX広告のヘルプは、計測タグのもとになるコードについて〈ウェブサイトのすべてのページに実装する必要があります。〉と書いています。
出典:X『ウェブサイトのコンバージョントラッキング』
計測タグをホームページに入れる作業は、ホームページを管理している会社(制作会社など)に頼むことが多いでしょう。多くの場合、計測タグは広告を出す側が各媒体の管理画面で発行し、そのコードをホームページを管理している会社に渡して入れてもらう、という分け方になります(筆者の整理)。そのときは、どの媒体のタグを入れるか、何を成果として数えるかを、自社から伝えます。
何を成果として数えるか
計測タグを入れたら、何を「成果」(コンバージョン)として数えるかを決めます。基本は、問い合わせの送信が終わったこと、つまり送信の完了画面が表示されたことです。電話で受けるなら、ホームページの電話のボタンを押したことも、問い合わせそのものに近い動きとして数えられます。
ここで、問い合わせの手前の動きを成果にしてしまうことがあります。ページを見た、ページを下まで読んだ、フォームのページに移った、といった動きです。こうした動きは数が多く出るので、管理画面の成果の数は増えます。ただ、広告の目的を成果の獲得にすると、配信の仕組みは、成果として数える動きをしそうな人を探して、広告を届けます。手前の動きを成果にすると、ページを読む人は集まっても、問い合わせる人は集まりにくくなります。
私も、検索広告で同じことが起きているのを見たことがあります。配信の仕組みが成果として追いかけていたのは、ページを下まで読んだ、長く見た、フォームのページに移った、という問い合わせの手前の動きでした。管理画面には成果が並んでいましたが、本当の問い合わせはほとんどありませんでした。SNS広告でも、配信の仕組みが成果をもとに届ける相手を選ぶ点は同じです。成果として数えるのは、問い合わせの送信の完了か、電話のボタンを押したことのように、問い合わせそのものに近い動きにします。
配信を始めた日に、1件送って確かめる
計測タグを入れても、設定が間違っていれば数えられません。予算が少ないと、問い合わせの件数も少ないので、数えられていないことに気づくのが遅れます。
私は、配信を始めた日に、自分で広告をクリックして問い合わせを1件送り、管理画面に成果として数えられたかを確かめています。数えられていなければ、その日のうちに、ホームページを管理している会社に見てもらいます。テストで送った1件は、問い合わせの記録に「テスト」と書いておき、件数を数えるときに除きます。
計測タグでも数えきれないもの
計測タグを入れても、すべての問い合わせを数えられるわけではありません。ブラウザの制限で、正しく計測されないことがあります。たとえば、YouTube広告を出すGoogle 広告のヘルプは、Google 広告での計測について、次のように書いています。
一部のブラウザ(Safari や Firefox など)では、サードパーティの Cookie を使用するコンバージョン測定は許可されていません。
出典:Google 広告 ヘルプ『オンライン コンバージョンの推定について』
ブラウザによっては、Cookie を使った計測が許可されていない、ということです。
また、広告を見たその場ではクリックせず、あとで会社名で検索して問い合わせる人は、広告の成果には数えられないことがあります。そのため、問い合わせのたびに「どこで知りましたか」と聞いて記録しておくと、広告の管理画面の数字と並べて確かめられます。この記録のつけ方は、Web集客の記事の第8章で紹介しています。
| 数える場所 | 何が分かるか | ここだけでは分からないこと | 誰に頼むか |
|---|---|---|---|
| 全ページ(計測タグのもとになるコード) | 広告から来た人が、どのページを見たか | 広告から来た人が、ホームページで何をしたか | ホームページを管理している会社 |
| 問い合わせの送信の完了画面 | 広告から来た人のうち、問い合わせた人の数 | 電話や、あとで検索して問い合わせた人 | ホームページを管理している会社(何を成果にするかは自社が決める) |
| 広告の管理画面 | 表示された回数・クリックされた回数・成果の数 | (計測タグが入っていても)あとで検索して問い合わせた人 | 自社または代理店 |
| 問い合わせのたびの「どこで知りましたか」 | 広告で知って、あとで問い合わせた人 | どの広告や画像を見て来たか | 自社(問い合わせを受ける人) |
問い合わせにつながったかを確かめるには、出す前に計測タグを入れ、問い合わせの送信の完了を成果として数える設定にしておきます。配信を始めた日に、自分で1件送って、数えられたかを確かめます。
少額で試して、続けるか止めるかを決める
着くページと計測の準備ができたら、少額で試します。始める前に、次の3つを決めておきます。
- 試す期間と金額
- 問い合わせ1件にかけてよい費用(第4章の逆算)
- 続けるかどうかの判断基準(試す期間のうちに、問い合わせが何件あれば続けるか)
3つを先に決めておくのは、始めてから決めると、出た数字に合わせて基準を決めてしまうからです。
始めてしばらくは、結果が揺れやすくなります。Metaのヘルプは、新しい広告を作ったときや、広告に大きな編集を加えたときに、配信の仕組みが最適な配信のしかたを探る期間があるとして、これを「情報収集期間」と呼んでいます。そのうえで、この期間中に広告の設定を編集すると、それまでの学習がリセットされ、配信の仕組みが最適化を始められる時期が遅くなる、としています。
出典:Meta『情報収集期間について』
同じヘルプは、この期間が終わるのは、通常、大きな編集を加えてから1週間以内に約50件の結果を得たあとだとしています。結果は、広告の目的にした成果の件数です。問い合わせを成果にすると、問い合わせが月に数件の会社では、この目安には届きません。そのため、試す期間は数日ではなく週の単位で取り、期間の途中では、画像や予算を細かく変えないようにします。この目安に届かなくても、続けるかどうかは、始める前に決めた基準(件数)で判断します。
比べるために、画像や広告の文は2〜3通り用意しておきます。試す期間が終わったら、どの画像や文で問い合わせが来たかを見て、来なかったものを止め、来たものに予算を寄せます。問い合わせが少ないうちは、1件の有無だけで判断せず、試す期間全体の結果を見て決めます。続けるときは、予算を一度に大きく変えず、変える回数も少なくします。Metaのヘルプも、情報収集期間について〈頻繁な予算変更は行わないようにしてください〉と書き、予算を変えると、広告の配信がもう一度この期間に入ることがあるとしています。
期間が終わったときの分かれ道は3つです。決めた基準に届いたら続け、まったく届かなかったら止めます。その間のときは、画像や文、着くページを見直して、もう1期間だけ試します。
架空の工務店で、数字を入れてみます(数字は、考え方を示すために筆者が置いた例です)。問い合わせの5件に1件が契約になり、1件の契約で粗利が25万円残るなら、問い合わせ1件に払えるのは最大5万円です。そこから確保したい利益を差し引いて、1件あたりの目標の費用を3万円にします。差し引いた2万円は、営業の手間など広告のほかにかかる費用と、残したい利益を見込んだ分です。試す期間を4週間、金額を6万円にすると、目標の費用で問い合わせ2件分です。そこで、4週間で2件以上なら続ける、1件なら見直してもう4週間試す、0件なら止める、と始める前に決めておきます。実際の数字は、自社の契約になる割合と粗利から出してください。
運用を代理店に頼む場合は、代理店が何を成果として数えて報告しているかを聞いておきます。管理画面の成果が、問い合わせの手前の動きを数えたものなら、成果の数が多くても、問い合わせにつながっているとは言えません。
少額で試すときは、始める前に、試す期間と金額、1件にかけてよい費用、続けるかどうかの判断基準を決めておきます。結果は、管理画面と問い合わせの記録を並べて見ます。
SNS広告を出す前の確かめ表(テンプレート)
この記事の第3章から第7章に沿って、出す前に決めることを書き込めるように、確かめ表(Excel)を用意しました。ファイル1つに、次の3つのシートが入っています。
- 使い方:書く順番と、それぞれのシートで何を書くか
- 1_確かめ表:広告の目的、届けたい相手と出すSNS、1件にかけてよい費用と月の予算の上限、広告で約束することと着くページ、計測タグと成果として数えるもの、試す期間と金額・続けるかどうかの判断基準、テストで1件送った日、「どこで知りましたか」の記録を書く
- 2_記入例:架空の工務店の記入例
ホームページを管理している会社に計測タグの設置を頼む前に、「1_確かめ表」を書いておけば、着くページと、何を成果として数えるかを、そのまま伝えられます。
SNS広告を出す前の確かめ表(Excel)をダウンロードする
※登録や個人情報の入力は要りません。クリックすると、Excelのファイル(SNS広告の確かめ表.xlsx)がダウンロードされます。
ARROWSのSNS広告
第5章と第6章の準備は、ARROWSのSNS広告でも、配信を始める前に整えます。扱っているのは、Meta(FacebookとInstagram)の広告です。
整えるのは、広告をクリックした人が着くページと、問い合わせを成果として数える計測タグの設定です。着くページで起きた問い合わせや資料請求は、広告の成果としてMetaに記録されるように設定します。Facebookページの情報が空のままだと広告の審査で止まることがあるので、会社の情報も埋めておきます。
配信を始めてから最初の2週間〜1か月ほどは、中身の違う広告を並べて出し、結果が落ち着くのを待ちながら比べます。そのあと、結果の振るわない広告を止め、結果のよかった広告をもとに次の広告をつくります。毎月、配信の状況と問い合わせの件数を報告し、翌月に届ける相手と広告の中身を一緒に考えます。
まとめ
SNS広告は、年代・地域・興味などで選んだ相手の画面に、お金を払って広告を届ける方法です。費用は、媒体と目的で決まる課金の単位と回数で決まり、決まった月額はありません。問い合わせにつなげるには、出す前に、広告をクリックした人が着くページと、計測タグで何を成果として数えるかを、ホームページで準備しておきます。
まずは、出すSNSを1つ選び、確かめ表に、着くページと、成果として数えるものを書いてください。それを持って、問い合わせの送信の完了を数える計測タグを入れてもらうよう、ホームページを管理している会社に頼むところから始めてください。




