UTMパラメータとは、URLに付ける「どこから来たか」の印
UTMパラメータは、リンクのURLの末尾に付ける印です。たとえば、メールマガジンに載せるリンクを、次のように書きます。
https://example.com/service/?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=2026-11-seminarページのURLのあとに「?」を置き、「utm_source=newsletter」のように印と値を「=」でつないだ組を、「&」でつないでいきます。このリンクからの訪問は、Googleアナリティクス4(以下GA4)で、メールマガジンから、メールという手段で、11月のセミナーの案内をきっかけに来た訪問として数えられます。
印を付けないと、GA4は、リンク元のサイトの情報などをもとに、どこから来たかを判断します。メールのアプリや、チラシに刷ったQRコードから開かれた訪問は、リンク元が分からず、「直接」の訪問としてまとめて数えられることもあります。メールマガジンから来たのか、チラシのQRコードから来たのかは、印が無ければ分けられません。
UTMパラメータは、どこから来たかを分けるために、リンクを作る側が付ける印です。 リンク元の情報だけに頼らず、あらかじめ、どこから・何の施策で来たかを値として付けておく、という考え方です。
5つの印と、まず使う3つ
UTMパラメータには、よく使われるものが5つあります。
| 印 | 何を示すか | 値の例 |
|---|---|---|
| utm_source | どこから(リンクを置いた媒体) | newsletter・x・flyer |
| utm_medium | どんな手段で来たか | email・social・print |
| utm_campaign | 何の施策で来たか | 2026-11-seminar |
| utm_term | 検索広告で、どのキーワードの広告か | (検索広告で使う) |
| utm_content | 同じ施策の中の、どのリンクか | header・footer |
Googleは、GA4のヘルプで、utm_source、utm_medium、utm_campaignの3つは、どの場合でも付けるようにと書いています。utm_termとutm_contentは、必要なときに足します。
この3つがあれば、メールマガジン、SNS、チラシ、展示会のように施策を分けて、どの施策から何人来たかを比べられます。
まずは、utm_source、utm_medium、utm_campaignの3つを付けます。 utm_contentは、同じメールの中で、上のボタンと下のリンクのどちらが押されたかを分けたいときのように、比べたいものがはっきりしてから足します。
作り方と、値の決まり
UTMパラメータの付いたURLは、手で打つこともできますが、Googleの「キャンペーン URL 生成ツール」を使うと、項目を埋めるだけで作れます。ツールへのリンクは、先ほどのGA4のヘルプにあります。
URLを作るときに大事なのは、値の書き方をそろえることです。GA4では大文字と小文字が区別されるため、「Newsletter」と「newsletter」は別々に数えられます。同じXからの訪問でも、ある人は「x」、別の人は「twitter」と付けると、2つに分かれます。
そこで、決まりを表1枚にまとめておきます。
表には、リンクを使う場所ごとに3つの値を書きます。チラシのように紙に刷るものは、QRコードを作るときのURLに付けます。あわせて、名前やメールアドレスなど、個人が分かるものを値に入れないことも、決まりとして書いておきます。URLに入れた値は、そのままGA4に送られるからです。
表を作るのも、URLを作るのも、自社でできる作業です。新しいURLを作る前に、使う値を表に1行足します。
付けるかどうかを決める
外から自社のサイトへ来るリンクの全部に、UTMパラメータが要るわけではありません。どこから来たかや施策を分けて見たい場合に付けます。UTMパラメータを付けないという選び方もあります。そのときは、付けないと何が分からなくなるかを知ったうえで選びます。
付ける場所にも決まりがあります。自社のサイトの中のリンクには付けません。サイトの中でUTMパラメータの付いたリンクを押すと、問い合わせなどの成果が、外から来たときの印ではなく、サイトの中のリンクに付けた印のほうに数えられることがあります。
Google広告だけは、少し扱いが違います。広告の管理画面で「自動タグ設定」をオンにすると、クリックごとに番号がURLに付き、GA4とGoogle広告をつないでおけば、GA4では、その番号をもとに広告から来た訪問が分かれて並びます。番号とUTMパラメータの両方が付いているとき、GA4では番号のほうが優先されます(Google 広告のヘルプ)。
それでもUTMパラメータを付けておくのは、第6章で説明する問い合わせ1件ごとの記録のためです。記録に残る番号からは、どのキャンペーンかの名前が読めません。名前でも残したいときは、広告のリンク先のURLにUTMパラメータも付けておきます。広告の運用を任せているなら、自動タグ設定がオンか、GA4とつないであるかを、任せている会社に聞いて確かめます。
ARROWSでは、Xの投稿に載せる記事のリンクに、UTMパラメータを付けていません。そのため、GA4では、投稿のリンクから来た訪問も、プロフィールに載せたリンクから来た訪問も、同じXからの訪問として並びます。投稿とプロフィールのどちらから来たかは分けられず、最初に開いたページなどを手がかりに推し量ることになります。
付けるかどうかは、そのリンクから来た訪問を、ほかと分けて見たいかで決めます。 分ける必要がなければ、URLを作る手間や、表に1行足す手間を省けます。
Googleアナリティクスで見る前に確かめること
UTMパラメータを付けると、GA4で、どこから・どんな手段で・何の施策で来たかごとに、訪問を並べて見られます。画面での見方は、GA4のヘルプにあります。
数字を読む前に、1つ確かめておくことがあります。自社の閲覧が混ざっていないかです。
ARROWSのサイトで、Xから来た訪問が多く見えたことがあります。詳しく見ると、訪問の多くは同じ1人によるもので、計測の設定を確かめるための道具を使ったアクセスも、同じ人のものでした。社内での動作の確認が、そのまま数に入っていたのです。それに気づかず、その数字を前提に分析を重ねていました。
見分けるときは、まず、訪問の数に比べて、人の数(GA4のユーザー数)が極端に少なくないかを見ます。社内からの閲覧を最初から数えないよう、GA4で社内のIPアドレスからのアクセスを除く設定もできます。設定はサイトを作った会社に頼めます。数字を読む前に、自社の閲覧が混ざっていないかを確かめます。
数字を確かめたら、次は、サイトに来た人が、問い合わせまでのどこで止まっているかを見ます。GA4やSearch Consoleでの見分け方は、問い合わせを増やす方法の記事で解説しています。
関連記事ホームページの問い合わせを増やすには?アクセスより先に、誰が来ているかを確かめる
問い合わせ1件ごとに「どこから来たか」を残す
GA4で分かるのは、どこから何人来て、そのうち何人が問い合わせたか、という集計です。届いた問い合わせのうち、どれがメールマガジンから来たもので、どれが広告から来たものかは、GA4では分かりません。GA4は訪問を数える道具で、届いた問い合わせの1件1件とは結び付いていないからです。
1件ごとに知るには、問い合わせのフォームが、送信のときに「どこから来たか」を一緒に受け取る仕組みが要ります。
ARROWSのお問い合わせのフォームでは、次の情報を、問い合わせの内容と一緒に受け取っています。
- その訪問で最初に開いたARROWSのページ
- ほかのサイトから来た場合は、そのサイトの名前
- 広告やキャンペーンのリンクに付いている印(UTMパラメータと、Google広告のクリックごとに付く番号)
これらの情報は、最初に開いたページで、ブラウザに一時的に保存します。Cookieは使わず、ブラウザのタブを閉じると消えます。そのため、一度タブを閉じて、後日あらためて問い合わせた人の場合は、最初の訪問でどこから来たかは残りません。ARROWSに届くのは、フォームを送ったときだけです。届いた情報は、問い合わせの通知メールと、顧客管理に使っているHubSpotに、問い合わせの内容と一緒に記録します。
自社の顧客管理に、問い合わせと一緒にどこから来たかを残しておけば、11月のメールマガジンから来た問い合わせが、そのあと商談になったかを、1件ずつ追えます。顧客管理のツールを使っていなければ、問い合わせの通知メールに残すだけでも、あとから1件ずつ見返せます。問い合わせのときに「どこで知りましたか」と聞く方法もあります。その答えと、残ったUTMパラメータを照らし合わせると、記録の抜けや思い違いに気づきやすくなります。施策ごとに、集めた見込み客の数と、そのうちフォローできる段階まで進んだ数を分けて記録する表の作り方は、BtoBのリード獲得の記事で解説しています。
関連記事BtoBのリード獲得とは?施策の選び方と、成果の比べ方
フォームの送信に、どこから来たかを一緒に載せる仕組みは、サイトを作った会社に頼む作業です。受け取る情報が増えるので、プライバシーポリシーにも、何を受け取り、何に使うかを書いておきます(ARROWSも、お問い合わせのフォームで一緒に受け取る情報として、プライバシーポリシーに書いています)。仕組みができたあとに自社でするのは、記録しておいた「どこから来たか」と、商談になったかどうかを照らし合わせ、どの施策が商談につながったかを確かめることです。
GA4の集計とは別に、届いた問い合わせの1件ごとに、どこから来たかを残します。
付けた名前と、相手が実際にしたことは別
UTMパラメータの値は、リンクを作る側が付けた名前です。相手が実際にしたことを、そのまま表しているわけではありません。
utm_termは、そのずれが出やすい印です。utm_termに入れるのは、ふつうはこちらが広告を出しているキーワードで、相手が検索窓に打った言葉ではありません。以前関わったサイトで、問い合わせの記録の「どの言葉で検索して来たか」の欄に、広告で設定しているキーワードがそのまま書かれていたことがあります。実際には、他社の社名で検索して来た人もいたのですが、その違いは記録から読み取れませんでした。
相手が実際に検索した言葉や、どこで知ったかは、問い合わせのときや打ち合わせで聞いた答えから分かります。記録するときは、その答えを、こちらが付けた値とは別の欄に書いておきます。UTMパラメータの値は、こちらが付けた名前として読みます。
ARROWSのWeb解析と問い合わせフォーム改善
ARROWSのWeb解析では、会社ごとの専用データベース(Webカルテ)に、GA4とSearch Consoleのデータと、施策の記録をまとめます。いつ何をしたかと、そのあとの数字の変化を並べて残し、施策のあとに何が変わったかを確かめます。
解析を1回だけ頼みたい場合は、スポット解析として、カルテのデータを調べて改善案をつくり、打ち合わせでご説明します。続けて改善を進める場合は、マーケティングコンサルティングでお受けします。
第6章の、問い合わせ1件ごとに「どこから来たか」を残す仕組みは、ARROWSの問い合わせフォーム改善で、WordPressのサイトや、PHPが動くレンタルサーバーのサイトなら、いまのフォームに入れられます。広告、検索、ほかのサイトのリンクなど、どこから来て、最初にどのページを開いたかを、問い合わせと一緒に記録します。顧客管理のツールを使っていなくても、通知のメールに1行で載ります。
まとめ
UTMパラメータは、どこから来たかや施策を分けて見たいリンクに、値の決まりをそろえて付けます。さらに、GA4の集計とは別に、問い合わせ1件ごとにどこから来たかを記録しておけば、どの施策が商談につながったかまで追えます。
まずは、次に送るメールマガジンのリンクを1本選び、使う値を表に1行書いてから、UTMパラメータを付けてみてください。




