SEOの費用は、何に対して払うのか
Googleは、SEO業者の利用を検討する人に向けた資料を公開しています。そこに、SEO業者が提供するサービスの一覧があります。
- サイトのコンテンツや構成の見直し
- ホスティング、リダイレクト、エラーページ、JavaScript の使用など、ウェブサイトの開発に関する技術的なアドバイス
- コンテンツの開発
- オンライン ビジネス促進キャンペーンの管理
- キーワードに関する調査
- SEO のトレーニング
- 特定のマーケットや地域に関する専門知識
- 生成 AI 向けに最適化
(Google 検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」・2026年9月16日参照)
見直し、助言、制作、調査、研修。必要な技術や作業時間の異なる仕事が並んでいます。サイトの構成を見直す仕事、記事を書く仕事、月に一度相談を受ける仕事では、担当者も必要な日数も異なります。
「SEO対策」は、この一覧全体につけられた名前です。 1語で見積もることはできません。
施策そのものの全体像は、SEO対策の記事で整理しています。
公開されている料金を並べてみる
相場として紹介される数字は、出どころと時点によって変わります。同じサービスでも、いつの、何を含む金額として書かれたかで、紹介される金額は違ってきます。
そこでここでは、SEOのサービスを提供している会社が自社サイトで公開している料金だけを並べます。金額と、その金額が何を含むかの両方が書かれていた5社です(2026年9月16日確認)。
| 会社・サービス(料金ページの表記) | 公開されている金額 | その金額に含まれるもの | 契約期間 |
|---|---|---|---|
| SEO Pack | 月額7,980円(税込・3ヶ月で総額23,940円) | SEOツール「seodoor」の機能(内部対策支援、コンテンツ対策支援、順位計測、ノウハウの提供)と、被リンク10本の設定 | 3ヶ月/6ヶ月の2種類。申し込み時に総額を前払い |
| ワンコインSEO | 1キーワード月額5,000円(税抜)・初月0円 | 地域名を含む複合キーワードに絞ることを前提にした価格。AIO・AEO対策の追加料金なし。Google・Bingのいずれも10位圏外なら返金 | 基本契約1年。期間中の途中解約は原則不可 |
| サイプレス | スタータープラン月額30,000円〜/スタンダードプラン月額80,000円〜 | スターター=キーワード調査・競合分析、内部リンク構造の改善提案、Search Consoleの設定・分析、月次レポート、技術的SEO診断(初回)。スタンダードはこれに月2本の記事制作、速度改善と構造化データ、既存記事のリライト、被リンク獲得支援が加わる | ページに記載なし |
| 翔進 | 月額3万円〜(プラン比較表では月額80,000〜500,000円) | プランごとに、被リンク設計、MEO対策、打ち合わせの回数、レポートの形式、サポートの方法の有無を表で明示 | 最低3ヶ月 |
| ジオコード | 通常プラン15万円〜/スタンダードプラン月30万円〜/コンテンツマーケティングプラン月20万円〜 | コンサルティング、サイト修正・実装、デザイン・UIUX改善、AIO・LLMO、コンテンツマーケティング、外部リンク強化の組み合わせ。解析、内部SEO診断、メタ情報・構造化データ・内部リンクの最適化、エンジニアによる実装対応、定期レポート | ページに記載なし |
出典は各社が自社サイトで公開している料金ページで、参照日はいずれも2026年9月16日です。税の書き方は会社によって違います。SEO Packは税込、ワンコインSEOは税抜と書かれており、残る3社はページに税の記載がありません。表中の「被リンク」は、他のサイトから自社サイトへ張られるリンクのことです。「Search Console」は、Googleが無料で提供している、検索での表示状況を見る管理画面です。料金は変わります。金額そのものより、金額の隣に何が書かれているかを見てください。
公開されている金額は、1キーワード月額5,000円(税抜)から月額50万円までの幅で並びます。5社のうち3社は「〜」の付いた下限の表示です。上限の50万円は、翔進がプラン比較表に載せている月額の上限で、同じページの本文にある「月額3万円〜」とは別の数字です。ただし、この幅は「安い会社と高い会社の差」ではありません。
- 単位が違う。1キーワード単位で買う形と、プラン単位で買う形がある
- 含む範囲が違う。ツールの利用が中心の形と、人が調査・提案・実装まで行う形がある。記事制作が入る形と、入らない形がある
- 契約期間が違う。3カ月の会社と、1年で途中解約できない会社がある。これは月額の幅ではなく、総額と、途中でやめられるかを変える
比べられるのは、単位と含む範囲がそろって見えるときだけです。単位の違う数字を1つの「相場」にまとめても、比べたことにはなりません。
同じ「SEO対策」でも、金額が変わる3つのところ
ここまでは、Googleの資料と各社の公開料金をもとに説明しました。ここから先の3つの分け方は、私の整理です。 SEOの費用が何で変わるかを正面から説明した公的な資料は、私が当たった範囲では見つかりませんでした(Google 検索セントラルの各資料、J-Net21、IPAの公開資料・2026年9月16日)。
見積もりの金額が会社によって何倍も開くとき、その差の多くは、第1章の一覧のうちどれを引き受けているかの違いです。見積もりを作成してきた経験から、金額を左右する要因を3つに分けます。
1. 8つの仕事のうち、どれを任せるか(範囲)
3つのうち、いちばん大きく効きます。診断だけを頼むなら、調査と報告で終わります。記事制作が加われば、本数に応じて費用が増えます。サイトの改修まで含めれば、実装担当者の工数も必要になります。診断だけの見積もりと、診断から実装まで含んだ見積もりは、そもそも比べる対象になりません。
2. 順位が動かなかった月に、何をするか(回数)
SEOは、手を入れてから結果が出るまでに時間がかかります。順位が動かない月も出てきます。そのときに数字を見て打ち手を変えるのか、月1回のレポートを受け取るだけなのかで、見積もりの金額は変わります。
第2章の5社のうち3社は、打ち合わせの回数やレポートの形式を、プランごとの条件として書いていました。ここが書かれていない見積もりでは、相談や修正のやり取りが増えた場合の扱いが分かりません。
3. 調べる人・書く人・直す人が、同じか(体制)
SEOは、調べる仕事と、書く仕事と、直す仕事が、それぞれ別の技能です。3つとも自社で持っている会社もあれば、調査と提案だけを担い、実装は発注元や別の会社に任せる会社もあります。提案の担当者が実装まで行うかどうかで、費用も進行のしかたも変わります。
実装は発注元で行う、と書かれた見積もりは、その会社の作業だけの金額です。直す人を社内で用意しても、別に手配しても、その費用は見積もりの外にあります。第5章で扱うのは、この外側の話です。
見積もりを読むときに確かめること
Googleは、SEO業者に聞く質問の例を挙げています。面談で確認する8項目と、業者の推奨事項やツールを評価する3項目の、計11項目です。過去の作業のサンプルと成功事例、Google 検索の基本事項に準拠しているか、同業種での実績、外国語サイトの経験、創業年数、担当者との連絡方法。推奨事項の裏付けとして、Googleの公式ドキュメントを引用しているかも入っています。
この11の質問のどれにも、料金の項目はありません。 代わりに入っているのが、次の1つです。
期待される結果とその時期、成果はどのように測定するのか。
(Google 検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」・2026年9月16日参照)
Googleは、SEO監査の提案を受けたときについても書いています。監査では「改善内容について現実的に評価し、関連する作業の見積もりを提供する必要があります」。そのうえで、変更すれば検索結果の最初のページに必ず表示されると言う業者なら、他の業者を探すよう勧めています。監査の段階でSearch Consoleの権限を渡すときは、読み取り権限のみにする、ともあります。契約の前に渡すものがあるなら、その範囲も確かめる場面です。
これに加えて、発注側が確認しておきたい点が2つあります。
1つは、金額を作業に分解できるかです。 提示された総額は、どの作業に何人日を見込んで算出されたものなのか。分解できない見積もりは、範囲が増えたときに金額がどう動くかも分かりません。
単価の単位は、出す側も間違えます。私は自社の積算で、1人日あたりの単価と1時間あたりの単価を取り違え、8倍の金額を出したことがあります。単価と時間の単位がそろっているかは、出す側も読む側も確かめる価値があります。
もう1つは、「はい」で答えられない質問を用意することです。 「SEOに対応していますか」と聞けば、ほとんどの会社が「はい」と答えます。「この見積もりのうち、実装は誰が行いますか」「順位が上がらなかった月は、何を変えますか」には、会社ごとに違う答えが返ります。選ぶための質問の作り方は、ブランディング会社の記事で扱っています。
関連記事ブランディング会社は、「はい」で答えられない質問で選ぶ
総額の上限が見えないと、社内で止まる
見積もりを受け取った担当者は、多くの場合、社内でその金額を通す必要があります。ここで止まる理由は、金額が高いことだけではありません。
私は、調査だけを引き受け、実装は別の会社が行う形の提案を出したことがあります。こちらの費用は、金額まで明示していました。それでも、社内の決裁は下りませんでした。理由は、調査のあとの実装にいくらかかるかが見えず、予算を確保できないことでした。
こちらの見積もりが正確でも、その先が見えなければ、決裁する側は総額を判断できません。この案件で発注が止まった原因は、金額の大きさではなく、総額の上限が見えなかったことでした。
このとき、他社の実装費用をこちらで推測するのは適切ではありません。実装会社の料金体系や体制を把握しないまま費用を示すことになり、実額が上回った場合には、こちらが示した数字だけが独り歩きするためです。代わりに出したのは、実装する会社がそのまま見積もれる作業の一覧でした。実額は、その会社から直接取ってもらいます。
発注する側から見ると、確かめることは3つになります。
- この見積もりの外側に、別の会社へ払う費用が残るか。残るなら、誰がその金額を出せるか
- 契約が終わったとき、成果物(記事・サイトの設計・調査結果)は自社に残るか
- 外に出しても自社に残る作業はどれだけあるか。内容の確認、原稿の監修、社内調整の時間も費用のうち
3つ目は、どの会社の見積書にも載りません。載らないまま、社内の誰かの時間として実際に消費されます。総額を見積もるなら、ここも数に入れておくほうが安全です。
払っても買えないもの
費用の話には、払っても手に入らないものが混ざります。Googleが公式に書いていることと突き合わせると、見積もりの行としては4つの形で現れます。
掲載そのものへの費用。 「登録料」「インデックス費用」にあたる名目が並んでいたら、何に対する金額かを聞く場面です。Googleは「オーガニック検索結果への掲載は無償です」と書いています(Google 検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」)。検索に載ること自体についても、「通常、サイトをウェブに公開する以外のことを行っていただく必要はありません」とあります(同「SEO スターター ガイド」)。公開したページをGoogleが見つけて読み込み(クロール)、検索結果に載せる(インデックスする)までのどの段階にも、Googleへ払う窓口はありません。
「○位保証」の行。 保証をうたう見積もりで読むところは、達成できなかった月の扱いです。返金なのか、期間の延長なのか、対象のキーワードを入れ替えるのか。そこが書かれていなければ、保証は名前だけになります。Googleは「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」とし、掲載順位を保証する業者、Googleとの「特別な関係」を強調する業者、「優先登録」を宣伝する業者には注意が必要だと書いています。
効果がないと公式に書かれている前提に立った行。 メタ キーワードの設定、ドメイン名やURLへのキーワードの詰め込み、文字数を基準にした記事の発注がこれにあたります。Googleは「SEO スターター ガイド」で、重要でないと考えることとして「メタ キーワード」やURLパス中のキーワード、重複コンテンツに「ペナルティ」があるという理解を挙げています。文字数についても「魔法の文字数も、最小や最大の文字数も存在しません」と書いています(原文は、だからゼロでよいという意味ではない、と続きます)。この前提に立った作業が並んでいるなら、その根拠を聞けます。
買うと違反になりうる行。 「被リンク○本」が項目にあるとき、それが順位を上げる目的の売買なら、Googleのスパムに関するポリシー違反です。例外も同じポリシーにあります。広告やスポンサー活動として行い、rel="nofollow"やrel="sponsored"を設定している場合です。どちらなのかは、リンクの置き方を聞けば分かります。
施策そのものの是非は、SEO対策の記事で整理しています。ここで言えるのは、買えないものが、見積もりの行としては売られていることがあるということです。費用を払って買えるのは、作業と時間と専門性です。順位は、その結果として動くことがあるものです。
どこまで自分でやるかを、先に決める
Googleは、資料「SEO 業者の利用を検討する」の中で、次のように書いています。
小規模なローカル ビジネスの経営者は、おそらく、作業の多くを自分で行うことができます。
同じ資料は、まず「SEO スターター ガイド」から始めることを勧めています。手法を知っておけば、業者が非推奨の手法を使おうとしているかを見分けられるようになる、という理由です。
まず自分で行う範囲を決めると、外に頼む範囲も明確になります。記事を社内で書けるなら、頼むのは調査と設計だけで足ります。社内に書き手がいなければ、頼む内容は記事制作が中心になります。第3章の「範囲」は、ここで決まります。
Googleは、頼み始めるタイミングについても書いています。最適なのは、サイトの再構築を検討しているとき(早ければ早いほどよい)か、新しいサイトの開設を計画しているときです。そのタイミングなら、最初から検索エンジンとの相性を考えてサイトを設計できる、というのが理由です。作ったあとに直すより、直す工数も少なく済みます。
自分でやる範囲は、作業の難しさでは決まりません。別の記事では、間違えたときに元へ戻せるかどうかで分けています。
関連記事SEO対策は自分でどこまでできるか。作業の前に決めることがある
ARROWSのSEOの料金
ARROWSの料金も、第2章の表と同じく、金額と、その金額に含まれるもの、契約期間を並べます(2026年10月時点)。表示はすべて税別です。
| サービス | 金額 | その金額に含まれるもの | 契約期間 |
|---|---|---|---|
| SEOコンサルティング(初期設計) | 単発30万円 | キーワード調査、記事の全体設計、記事計画。記事の制作は含まない | 単発 |
| マーケティングコンサルティング(SEOの実行と見直しを続ける支援) | 月10万円〜 | 戦略づくりと、その時期に必要な実行(SEOでは、サイトの改善、内部リンクの整理、効果の測定と計画の見直し)、毎月の報告と打ち合わせ | 最低6か月 |
| SEO記事の作成代行 | 月10万円〜(月5本が基本)。初回はSEO戦略設計・記事計画の10万円 | キーワードの選定、執筆(1本3,000字以上)、図表、タイトル・説明文、入稿・公開、月1回の打ち合わせとレポート | 最低6か月 |
第3章の3つの仕事のうち、調べる仕事はSEOコンサルティングの初期設計で、書く仕事はSEO記事の作成代行で、直す仕事は続けて頼むマーケティングコンサルティングで引き受けます。記事を社内で書けるなら、初期設計だけを頼み、その記事計画で書き進めることもできます。
料金に含まないものは、どのサービスもサービスページに「別料金のもの」として書いています。SEOコンサルティングなら記事の制作とWebサイトの制作、SEO記事の作成代行なら既存記事の書き直しと現地での取材・撮影などです。サイトの規模や記事の本数によって金額が変わることがあるので、初回のご相談で内容を確かめてからお見積もりします。
まとめ
SEO対策費用は、何をどこまで頼むかで決まります。Googleが挙げるSEO業者のサービスは、見直し、助言、制作、調査、研修など、必要な技術も時間も違う仕事の集まりです。「SEO対策」という1語では、見積もることも比べることもできません。
自社サイトで料金を公開している会社を並べると、金額は1キーワード月額5,000円(税抜)から月額50万円まで開きます。この幅は会社の高い安いではなく、買う単位と、含む範囲の違いです。金額を見るときは、その隣に何が書かれているかをセットで見ます。
見積もりを読むときに効くのは、金額の大小ではなく、総額の上限が見えるかどうかです。 見積もりの外側に残る他社への費用、契約後に自社に残るもの、外に出しても消えない自社の作業。この3つが見えていれば、社内で説明できます。見えていない見積もりは、金額が安くても止まることがあります。
そして、払っても買えないものがあります。オーガニック検索への掲載や順位そのものを、金銭で買うことはできません。決められるのは、何をどこまで自分でやり、残りを誰に頼むかです。




