採用オウンドメディアとは

オウンドメディアは、自社が持ち、記事などを積み上げていく媒体です。そのうち、採用のための記事を積み上げるものを、採用オウンドメディアと呼びます。応募を考えている人や、まだ仕事を探していない人に向けて、仕事の中身、働いている人、応募する人の疑問への答えなどを記事にして、少しずつ増やしていきます。

置く場所は、会社によってさまざまです。自社の採用サイトに記事の一覧を設ける、採用ブログを別に用意する、noteのような外部のサービスで記事を公開する、といった形があります。どの形でも、採用のための記事が1か所にたまっていき、前に書いた記事もあとから読めることが共通しています。

採用オウンドメディアは、採用のための記事がたまっていく場所 自社のサイト 採用サイト 募集の条件 応募の方法 会社の紹介 採用オウンドメディア 仕事の中身 働いている人 応募する人の疑問への答え 記事が1本ずつたまる 求人票 求人サービス・ ハローワークなど noteなど 外部のサービスに 記事を置く形もある 採用サイトの中に記事の一覧を作ることが多い。求人票は、ほかの会社の求人と条件で比べられる場所
図1:採用サイト・採用オウンドメディア・求人票の位置。置き方は一例で、会社によって違う。筆者の整理。

採用サイトやSNS、会社説明会など、ほかの発信の手段と組み合わせて使います。手段をどう選び、いくつに絞るかは、第6章で紹介する採用広報の記事で扱っています。この記事では、記事を積み上げる場所としての採用オウンドメディアに絞って、何を書き、誰に読んでもらうかを説明します。採用オウンドメディアは、仕事の中身や応募する人の疑問への答えを、採用のための記事として積み上げる場所です。

オウンドメディアそのものの意味と、ホームページ・SNS・広告との違い、始めるかどうかの決め方は、オウンドメディアの記事で解説しています。

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採用サイト・求人票との違い

採用オウンドメディアと混同しやすいのが、採用サイトと求人票です。どれも応募を考える人が目にするものですが、掲載する内容と、読まれる場面が異なります。ここでは、会社のサイトの中の「採用情報」のページも、採用サイトに含めて考えます。

求人票採用サイト採用オウンドメディア
載せるもの給与・休日・勤務地などの条件と、仕事内容の要点募集の条件、応募の方法、会社の紹介仕事の中身、働いている人、応募する人の疑問への答えを記事で
どこにあるか求人サービス・ハローワークなど自社のサイト自社のサイトの中(採用サイトの中に置くことが多い)、noteなど
見る人と場面仕事を探している人が、条件で絞り込んで比べる会社名を知った人が、応募の前に確かめに来る採用サイトで条件を見た人が、続けて仕事の中身を読む/まだ仕事を探していない人が、検索で見つけることもある
更新のしかた募集のたびに出し、終わったら止める条件が変わったら直す記事を足していく。古い記事も残る

※表は筆者の整理

採用サイトは「顕在層」(いま仕事を探していて、応募を考えている人)に向けた場所、採用オウンドメディアは「潜在層」(いまは仕事を探していないが、いずれ転職を考えるかもしれない人)に向けた場所、と分けて考えることもあります。記事は検索で見つけてもらえるので、まだ探していない人にも届く、という考え方です。

ただ、表のとおり、採用オウンドメディアを読む人には、確かめに来た人も含まれます。採用サイトで条件を見た人が、そこから記事を開いて仕事の中身を詳しく読むこともあります。求人票は条件で比べられる場所、採用サイトは募集の条件と応募の方法をまとめる場所で、採用オウンドメディアは、条件の欄に収まらない仕事の中身や疑問への答えを、記事として積み上げる場所です。

メリット・デメリットと、人手の少ない会社が始める意味

採用オウンドメディアのメリットは、次の3つです。

  • 入社後の認識のずれを減らせる:仕事の中身や職場の様子を入社前に伝えることで、「聞いていた話と違う」と感じるケースを減らしやすくなる
  • 記事が残る:求人広告は掲載を止めると見られなくなるが、記事は書いたあとも残り、読まれ続ける
  • まだ仕事を探していない人にも知ってもらえる:記事が検索で見つかれば、会社名を知らない人との接点になる

デメリットは2つあります。1つは、時間がかかることです。求人広告は出した日から見てもらえますが、記事が検索で見つかるようになるまでには時間がかかります。オウンドメディアの記事で紹介したとおり、このサイトでも、記事の公開を始めてから4週間で、検索結果からのクリックは合わせて3回でした。もう1つは、手間です。現場の社員に話を聞き、記事にまとめ、内容が合っているかを本人に見てもらう作業を、続けていく必要があります。

特に人手の少ない会社では、3つ目のメリットを最初から期待すると、手間ばかりかかって成果が見えないまま止まりやすくなります。職種や地域で仕事を探す人が検索すると、上のほうには求人サービスの求人が並ぶことが多く、自社の記事がそこに割って入るのは簡単ではありません(自社の地域と職種で検索して確かめる方法は、第6章で紹介する採用広報の記事にあります)。

一方で、求人を出すと、会社に興味を持った人が詳しい情報を調べに来ることがあります。求人票を見て興味を持った人は応募の前に、面接の日程が決まった人は面接の前に、会社のことを調べることがよくあります。その人たちに読んでもらうことなら、記事が1本しかなくてもできます。

記事の2つの役目。人手の少ない会社は、すぐ使えるほうから始める 確かめに来た人に読んでもらう 求人票を見て興味を持った人 面接の日程が決まった人 記事が1本でも、求人票や 面接の案内から読んでもらえる 面接の前に調べる人がいる 知らない人に見つけてもらう 職種や仕事の中身で検索した人 まだ仕事を探していない人 検索で上のほうに出るまでに 時間がかかる 記事が積み上がってから 最初の1本から あとからついてくる効果 同じ記事が、両方の役目を受け持つ。始めるときは、確かめに来た人に読んでもらうほうを先に考える
図2:採用オウンドメディアの記事の2つの役目。筆者の整理。

オウンドメディアの記事は、始めるかどうかを3つの問いで決めるとし、1つ目の問いを「お客さんが困りごとの答えを検索で探しているか」としています。これは、会社を知らない人に見つけてもらうための問いです。採用の記事には、確かめに来た人の疑問に答える役目もあるので、「応募を考えている人が、会社のことを確かめに来るか」という問いも加えられます。求人を出して面接をしている会社なら、答えは「はい」になりやすいはずです。残りの2つの問いは、この記事の話でいえば、記録から選んだ記事を少しずつでも書き足していけるか(面接の前に読んでもらう記事なら、本数が少なくても役に立ちます)、検索で見つけてもらう効果は時間がかかるものとして待てるか、です。

記事が積み上がっていけば、職種や仕事の中身の言葉で検索した人に見つけてもらえることも出てきます。それは、あとからついてくる効果として見ておきます。人手の少ない会社は、知らない人に見つけてもらう前に、まず確かめに来た人に読んでもらう場所として、採用オウンドメディアを始めます。

最初の記事は、面接で聞かれたことと、辞退・早期離職の理由から選ぶ

確かめに来た人に読んでもらうなら、最初に書くのは、その人たちが知りたいことです。それを想像で考えるより、手元の記録から拾うほうが確かです。応募する人が知りたかったのに分からなかったことは、次の3種類の記録と、社員への質問から拾えます。

  1. 面接や会社説明会で、応募者に聞かれた質問
  2. 内定を辞退した人や、選考の途中でやめた人が言った理由
  3. 入社して1〜2年で辞めた人(早期離職)が挙げた理由
  4. いまいる社員に聞く「入る前に知りたかったこと」

1は、面接をした人のメモや記憶に残っています。2と3は、辞退の連絡のメールや電話、退職のときの面談で聞いたことです。理由を言わずに辞退する人もいるので、分からないものは「不明」と書き、想像で埋めません。

4は、社員に1つだけ聞きます。いまいる社員に、入社した理由や働き続けている理由を聞くと、自社が選ばれる理由が見えてきます。ここで聞くのは、入社前に足りなかったことです。「入る前に知っていたら、もっと早く決められた、あるいは迷わずに済んだことはありますか」と聞くと、入社前に伝えておけばよかったことが出てきます。

書き出したら、同じことを言っているものを1つにまとめ、何回出てきたかを数えます。仕事の同じ時期・同じ場面のことを言っていれば、言葉が違っても1つにまとめます(たとえば、入社して最初の数か月に、何を任され、誰に教わるか)。2回以上出てきたものが、記事の候補です。候補がいくつかあるときは、面接と辞退の理由のように、2種類以上の記録に出てきたものを先にし、その中では回数の多いものから書きます。立場の違う人が同じことを言っていれば、たまたま1人が気にしたことではないと考えられるからです。面接でだけ何回も聞かれた質問も候補のままで、その次に書きます。回数も同じなら、次の面接の案内で使いたいものから書きます。給与や残業などの条件の質問は、記事にする前に、求人票と採用サイトの条件の欄を見直します。1回しか出てこなかったものも、消さずに残しておきます。採用の人数が少なく、2回以上出たものがまだ無いときは、面接で聞かれた質問から1本目を書いてかまいません。記録を足して、数え直します。

架空の部品加工会社で見てみます。加工の経験がある人を中途で採りたい会社です。最近の面接・辞退・退職と、社員への聞き取りから書き出すと、次のようになりました。

3つの記録と社員への1問を書き出し、同じものをまとめて、2回以上出たものから書く 面接で聞かれた質問 「どんな機械を使っていますか」×2 「残業は月にどのくらいですか」×2 辞退した人が言った理由 扱う機械が自分の経験と合うか分からなかった 家から近い会社に決めた 1〜2年で辞めた人の理由 加工より、段取りや検査の時間が長かった 最初の数か月、誰に聞けばよいか分からなかった 社員が入社前に知りたかったこと 1日のうち、加工と段取り・検査の割合×2 入ってすぐに任される仕事 同じことを言っているものをまとめて数える 扱う機械 3回(面接2・辞退1) 記事の候補 1日の仕事の中身 3回(退職1・社員2) 記事の候補 入ってすぐの仕事と教わる相手 2回(退職1・社員1) 記事の候補 残業 2回(面接2) 条件の欄を先に 通勤(家から近い) 1回(辞退1) 残しておく 2回以上のうち、2種類の記録に出てきた3つから、1本ずつ書く
図3:架空の部品加工会社(加工の経験者を中途で採りたい)の記録から、最初の記事を選んだ例。数字・内容は架空の例。筆者の整理。

2回以上出たのは4つでした。扱う機械は、面接で聞かれ、辞退の理由にも出ています。1日の仕事の中身と、入ってすぐの仕事と教わる相手は、辞めた人も、いまいる社員も挙げています。この3つは2種類の記録に出てきたので、最初に書く記事になります。もう1つの残業(2回)は、面接でだけ出てきた条件の質問です。記事にする前に、求人票と採用サイトの条件の欄に、残業時間の目安が数字で書けているかを見ます。条件の欄に書けていなかったから聞かれた、ということもあるからです。

記録に出てこないことの中にも、応募する人が確かめたいことはあります。その手がかりになるのが、国が定めた「職場情報」です。厚生労働省の若者雇用促進法の資料は、職場情報を提供する仕組みについて、次のように書いています。

新卒段階でのミスマッチによる早期離職を解消し、若者が充実した職業人生を歩んでいくため、労働条件を的確に伝えることに加えて、若者雇用促進法において、平均勤続年数や研修の有無及び内容といった就労実態等の職場情報も併せて提供する仕組みを創設した。

※職場情報については、新卒者の募集を行う企業に対し、企業規模を問わず、(ⅰ)幅広い情報提供を努力義務化、(ⅱ)応募者等から求めがあった場合は、以下の3類型ごとに1つ以上の情報提供を義務としている。

出典:厚生労働省『若者雇用促進法(「青少年の雇用の促進等に関する法律」)』(2026年10月8日に参照)

つまり、新卒者を募集する会社は、会社の規模にかかわらず、職場情報を幅広く提供するよう努めることとされ(努力義務)、応募者などから求めがあった場合は、3つの類型ごとに1つ以上を提供しなければなりません。3つの類型は、「募集・採用に関する状況」「職業能力の開発・向上に関する状況」「企業における雇用管理に関する状況」です。職場情報の例として、資料は平均勤続年数や研修の有無と内容を挙げています。この決まりは新卒者を募集する会社が対象ですが、中途の採用だけをしている会社でも、応募する人がどんなことを確かめたいかの手がかりになります。記録を書き出したあとに、研修や勤続年数など、3つの類型に沿って確かめると、記録には出てこなかった記事の候補にも気づけます。

最初の記事は、面接で聞かれた質問、辞退や早期離職の理由、社員が入社前に知りたかったことを書き出し、2回以上出てきたもののうち、2種類以上の記録に出てきたものから選びます。

社員に、入社した理由と働き続けている理由を聞く方法と、聞いた答えから自社が選ばれる理由をまとめる方法は、採用ブランディングの記事で解説しています。

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記事の書き方:聞かれた質問をタイトルにし、課題も具体的に書く

記事のタイトルは、聞かれた質問の言葉をできるだけそのまま使います。たとえば「どんな機械を使っていますか」です。この会社では、辞退の理由(扱う機械が自分の経験と合うか分からなかった)にも答えるので、「使ったことのない機械も教えてもらえますか」という問いを足します。辞退や退職の理由から作る記事は、その人が入社前に聞きたかったはずの問いの形にします。「加工より、段取りや検査の時間が長かった」なら、「加工のほかに、どんな仕事がありますか」です。応募する人は、自分が聞きたかった言葉で書かれたタイトルなら、すぐに自分のための記事だと分かります。

答えには、数字で示せる情報と、具体的な仕事の場面の両方を入れます。勤務時間や職場の人数は数字で示し、使う機械は種類と台数を書きます。仕事の中身は、実際の1日の流れや、入社したばかりの人がつまずいた場面を交えて説明します。答えるのは、その仕事をしている現場の社員です。採用担当が話を聞いてまとめると、現場の言葉が残ります。

記録の言葉(出どころ)記事のタイトル答えに入れること誰に聞くか
「どんな機械を使っていますか」(面接)/「扱う機械が自分の経験と合うか分からなかった」(辞退)どんな機械を使っていますか。使ったことのない機械も教えてもらえますか機械の種類と台数、使ったことのない機械を誰がどのくらいの期間で教えるか機械の扱いを教えている社員
「加工より、段取りや検査の時間が長かった」(退職)/「1日のうち、加工と段取り・検査の割合」(社員)加工のほかに、どんな仕事がありますか1日の流れ、加工・段取り・検査のおおよその時間、経験を積むと割合がどう変わるか入社2〜3年の社員
「最初の数か月、誰に聞けばよいか分からなかった」(退職)/「入ってすぐに任される仕事」(社員)入社して最初の3か月は、何をしますか最初に任される仕事、教わる相手、1人で任されるまでの目安最近入った社員と、教える側の社員
「残業は月にどのくらいですか」(面接)(記事にする前に、求人票と採用サイトの条件の欄に数字で書く)月の残業時間の目安、忙しくなる時期採用担当

※例は架空の部品加工会社。筆者の整理

数字で示せることは数字で、仕事の中身は場面で書く書き分けの例は、第6章で紹介する採用広報の記事にもあります。

辞退や退職の理由から作った記事は、自社にとって都合の悪いことにも触れることになります。たとえば、部品加工会社の「加工より、段取りや検査の時間が長かった」という理由に答える記事では、1日のうち加工をしている時間がどのくらいかを、そのまま書きます。そのうえで、段取りや検査がなぜ要るのか、経験を積むと仕事の割合がどう変わるのかを書き足します。実際より良く見せると、入社後にまた同じずれが起きます。

課題を書くと応募が減るのでは、と心配になるかもしれません。ただ、その課題で辞退や退職をする人は、入社前に知っていれば、応募の段階で自分に合うかを決められます。合わないと分かって応募しない人は、入社してすぐに辞めていたかもしれない人です。記事のタイトルは聞かれた質問の言葉で付け、答えには、辞退や離職の理由になった課題もそのまま書きます。

書いた記事は、求人票・面接の案内・採用サイトから読んでもらう

求人票を見ただけでは、採用サイトに記事があることまでは伝わりません。確かめに来た人に読んでもらうために、次の3か所から記事を案内します。

  1. 求人票の自由欄:仕事内容の欄や、アピールの欄の最後に、「よく聞かれる質問への答えを、採用サイトの記事にまとめています」と書き、記事のタイトルとURLを添える
  2. 面接の日程の案内:日程を知らせるメールやメッセージに、「よくいただく質問への答えを記事にまとめています。面接の前に、よろしければご覧ください」と書き、記事を2〜3本選んでURLを添える
  3. 採用サイト:募集の条件の近くに「よく聞かれる質問」の一覧を置き、1つずつ記事へリンクする

求人サービスによっては、求人票の本文に書いたURLがリンクにならないことや、外部のサイトへの案内に決まりがあることがあります。載せる前に、使っている求人サービスの掲載の決まりを確かめます。

確かめに来た人が通る場所から、記事へ案内する 求人票の自由欄 記事のタイトルとURLを添える 面接の日程の案内 面接の前に読める2〜3本 採用サイト よく聞かれる質問の一覧から 採用オウンドメディアの記事 聞かれた質問への答え 数字と仕事の場面で答える 記事から採用サイト・求人票へも戻す
図4:記事へ案内する向き。実線はこの記事で扱う向き。点線の向き(記事から採用サイト・求人票へ)は、詳しくは採用広報の記事で。筆者の整理。

面接の案内に記事を添えるのは、すぐに始められる方法です。私が関わった仕事で、応募は求人サービスから受け、面接の前に採用サイトを見てもらう運用にしていたことがあります。若い応募者からは、「安心できた」「決断しやすかった」「同じ世代の社員の紹介に、自分を重ねた」という声がありました。一方で、応募の数については、求人サービスに求人を出した時期と重なっていたので、採用サイトの効果とは言わないことにしました。この経験から言えるのは、面接の前に会社のことを読んでもらうと、応募した人が決める材料になった、ということまでです。聞かれた質問に答える記事なら、その材料を、応募した人が迷っている点に合わせて渡せます。

書いた記事は、求人票の自由欄、面接の日程の案内、採用サイトのよく聞かれる質問の一覧から、確かめに来た人が読めるようにします。

記事から採用サイトや求人票へ進む道も、あわせて作っておきます。記事を読んで興味を持った人が、そのまま募集の条件を見て応募できるようにするためです。採用サイトやSNS、ブログなど、発信の手段の絞り方と、発信から採用サイト・求人票へリンクを置く理由は、採用広報の記事で解説しています。

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効果の見方と、続け方

応募者に記事が読まれているかは、面接で確かめられます。面接の始めに、「採用サイトで読んだ記事はありますか。読んでいなくても構いません」と聞きます。応募の経路を聞いているなら、その質問に1つ足すだけです。この質問を加えると、どの記事が読まれているかを、その場で確かめられます。

もう1つ見るのは、面接で同じ質問が減ったかです。扱う機械の記事を面接の案内に添えたあと、面接で機械のことを聞かれる回数が減っていれば、記事が質問に先回りして答えられています。質問が減らないときは、記事の説明が足りているか、記事が読まれているかを確かめます。読んだうえで、念のため面接で確かめる人もいるので、どの記事を読んだかの答えと合わせて判断します。

内定の辞退や早期離職が減ったかは、すぐには分かりません。採用の人数が少ない会社では、数か月から1年以上にわたって記録を取り、変化を確かめます。辞退や早期離職が減っても、記事だけの効果とは限らないため、ほかの変化も含めて判断します。

ここまでの進め方を、順番にまとめると次のようになります。

  1. 記録を書き出す:面接で聞かれた質問、辞退や退職の理由、社員が入社前に知りたかったこと(第4章)
  2. 2回以上出たものから記事を書く:タイトルは聞かれた質問の形で、数字で示せることは数字、仕事の中身は場面で(第5章)
  3. 記事へ案内する:求人票の自由欄、面接の案内、採用サイトのよく聞かれる質問の一覧(第6章)
  4. 面接で確かめる:読んだ記事を聞き、同じ質問が減ったかを記録で見る
  5. 書き足して数え直す:1本目は面接の案内で使いながら、記録は出るたびに書き足し、四半期に1回、数え直して次の記事を選ぶ。毎月書くことが前提ではない
記録から記事を選び、面接で確かめ、また記録に足す 記録を 書き出す 面接・辞退・ 退職・社員 2回以上から 記事を書く 聞かれた質問を タイトルに 記事へ 案内する 求人票・案内・ 採用サイト 面接で 聞く 読んだ記事・ 同じ質問 書き足して 数え直す 四半期に1回 新しく2回以上出たものを、次に書く記事にする 辞退や早期離職が減ったかは、数か月〜1年以上、記録を続けて見る
図5:採用オウンドメディアの進め方の1周。筆者の整理。

1〜5は、経営者と採用担当で進められる作業です。記事を書く場所を採用サイトの中に作る、記事を足しやすい作りにする、といったサイトの側の作業は、制作会社に頼めます。

記事が役に立っているかは、面接で読んだ記事を聞き、同じ質問が減ったかで確かめ、記録を書き足して四半期ごとに次の記事を選びます。

採用オウンドメディアのテンプレート

自社で最初の記事を選ぶときに使えるように、この記事の手順に沿ったテンプレート(Excel)を用意しました。ファイル1つに、次の5つのシートが入っています。

  • 使い方:書く順番と、それぞれのシートで何を書くか
  • 1_記録を書く:面接で聞かれた質問、辞退・退職の理由、社員が入社前に知りたかったことを、出どころと時期を添えて1行ずつ書く
  • 2_まとめて数える:同じことを言っているものを1行にまとめ、出どころごとに何回出たかを書く。合計が2回以上のものに印が付く
  • 3_記事のタイトルと置き場所:記事のタイトル、答えに入れること、話を聞く相手を書く。あわせて、求人票・面接の案内・採用サイトから記事を案内したかと、面接で「読んだ」と言われた回数を書く
  • 4_記入例:架空の部品加工会社で、記録から最初の記事を選んだ例
テンプレートは、記録を書く・まとめて数える・記事のタイトルと置き場所の3枚が中心 1_記録を書く 出どころ(面接・辞退など) 聞かれたこと・理由 時期・誰から 2_まとめて数える 同じことを1行にまとめる 出どころごとの回数 2回以上に印が付く 3_記事のタイトルと置き場所 タイトル・答えの中身 求人票・案内・採用サイト 面接で読んだと言われた回数 最初に書く記事 ほかに「使い方」と、記入例のシート(架空の部品加工会社)が入っている
図6:採用オウンドメディアのテンプレートのシート構成。

「記録を書く」「まとめて数える」「記事のタイトルと置き場所」の順にシートを埋めると、最初に書く記事と、それを読んでもらう場所まで決められます。

採用オウンドメディアのテンプレート(Excel)をダウンロードする

※登録や個人情報の入力は要りません。クリックすると、Excelのファイル(採用オウンドメディアテンプレート.xlsx)がダウンロードされます。

ARROWSの採用サイト制作

第6章で、採用サイトの募集の条件の近くに「よく聞かれる質問」の一覧を置く、と書きました。ARROWSの採用サイト制作では、仕事の中身・働く人・会社の考えを伝えるページを、求人票や応募フォームとあわせて作ります。採用サイトの構成をご提案するときに、「よく聞かれる質問」の一覧を募集の条件の近くに置く形も含められます。

記事が何十本にも増えて探しにくくなったときは、オウンドメディア構築で、記事の分類から見直すこともできます。

まとめ

採用オウンドメディアは、採用のための記事を積み上げる場所です。人手の少ない会社は、知らない人に見つけてもらう前に、まず確かめに来た人に読んでもらう場所として作ります。何を書くかの手がかりは、面接で聞かれた質問や、辞退・退職の理由の記録の中にあります。

まずは、最近の面接で聞かれた質問と、辞退や退職の理由を書き出してみてください。2回以上出てきた内容を記事の候補にし、面接と辞退の理由のように、2種類以上の記録に出てきたものから1本目を書きます。書いた記事のURLは、次の面接の案内に添えます。面接では、読んだ記事があるかを聞いてみましょう。