ホームページリニューアル費用の相場
会社情報の掲載を中心とするホームページ(コーポレートサイト)のリニューアル費用は、作り直す範囲によって、おおよそ次の3つに分かれます。
| 作り直す範囲 | ページ数の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 今の仕組みのまま、デザインを整える | 10ページ前後まで | 数十万円〜100万円 |
| ページの構成から作り直す | 10〜30ページ程度 | 100万円〜300万円 |
| 戦略から作り直す・ページが多い・機能を作る | 30ページ以上 | 300万円以上 |
※金額の幅は、Web制作会社や制作会社の比較サイトが公開している11の資料をもとにまとめたもの(2026年9月28日時点)。原稿・移行・保守などが金額に含まれるかは資料ごとに違い、税込・税抜の区別は、どの資料にも書かれていなかった。
ここでいうページ数は、会社概要やサービスのように1ページずつ作るページの数で、お知らせやブログの記事は数えません。記事の数は、第4章で説明する移行費用に影響します。
表の「機能を作る」は、予約や会員登録のように、独自の仕組みを作る場合を指します。
同じ「10〜30ページ」でも、100万円に近いか300万円に近いかは、デザインをどこまで作り込むか、更新の仕組み(CMS)を新しく入れるか、原稿と写真を誰が用意するかで変わります。CMSは、専門の知識がなくてもページを書き換えられるようにする管理の仕組みで、WordPressがよく知られています。
ネットショップや採用サイトのように、目的や機能が違うサイトは、この幅に当てはまらないことがあります。この記事では、会社の紹介を中心にしたホームページを前提に説明します。
費用にこれほど幅があるのは、リニューアル費用が複数の作業の合計で決まるためです。次の章では、見積書に記載される主な項目を見ていきます。
リニューアル費用の内訳
見積書には、リニューアルに必要な作業が項目ごとに並びます。会社によって項目の名前は少しずつ違いますが、中身はおおむね次のとおりです。
| 見積項目 | 中身 | リニューアルで加わること |
|---|---|---|
| ディレクション(進行管理) | 打ち合わせ、スケジュールと品質の管理、全体の取りまとめ | 今のサイトの洗い出しと、変える・残すの整理 |
| 設計(構成) | どのページをどの順に並べ、各ページに何を載せるかを決める | 今のページとの対応づけ(URLの整理) |
| デザイン | トップページと、下の階層のページの見た目を作る | — |
| コーディング | デザインを、ブラウザで表示できるページに組み上げる | — |
| 更新の仕組み(CMS)の導入 | ページを書き換えられる仕組みを入れる | 今の仕組みから入れ替える作業 |
| 原稿と写真 | 文章を書く、写真を撮る・選ぶ | 今の原稿を直して使うか、書き直すかを決める |
| 移行と転送 | 今のページの中身を新しいサイトへ移し、古いURLから新しいURLへ転送する | リニューアル特有の項目(第4章) |
| テスト | 表示の崩れ、リンク切れ、フォームの動きを確かめる | 転送が効いているかの確認 |
| 公開後の保守 | サーバー、ドメイン、CMSの更新、不具合への対応 | —(第6章) |
ディレクションは、制作の進行を管理する作業です。制作会社の担当者(ディレクター)が、打ち合わせやスケジュールの管理、デザイナーやエンジニアへの指示をまとめて行います。見積書では「一式」と書かれることが多く、ほかの制作費の合計の1〜3割ほどを目安に算出する会社もあります。
表の「リニューアルで加わること」の列が、新しくホームページを作る場合との違いです。リニューアルの見積もりには、今のサイトがあるからこそ発生する作業が入ります。 なかでも「移行と転送」は、新しく作るときにはない項目です。この項目については、第4章で詳しく説明します。
このうち、自社で対応できる作業もあります。原稿と写真の用意と、今のサイトのどのページを残すかの整理です。第5章で説明するように、これらを自社で対応すると、その分の費用を抑えられるほか、見積もりの精度も高まります。
見積もりの金額が会社ごとに違う理由
同じサイトのリニューアルを頼んでも、見積もりの金額は会社ごとに違います。理由は大きく3つです。
入っている作業が違う
1つ目は、見積もりに入っている作業の範囲が違うことです。第2章の表のうち、原稿と写真、移行と転送、公開後の保守は、見積もりに入れる会社と、入れない会社があります。これらが含まれていない見積もりは安く見えますが、作業そのものが不要になるわけではありません。あとから追加費用が発生するか、自社で対応することになります。
金額の算出方法が違う
2つ目は、金額の算出方法です。大きく2通りあります。
1つは、作業項目ごとに金額を積み上げる方法です。「トップページのデザイン◯万円」「下の階層のページ1ページあたり◯万円×ページ数」のように、作るものの単位で値段が決まっています。何を作ると何円かが分かりやすい一方、項目にない作業は、別の費用になりやすくなります。
もう1つは、作業にかかる日数に、1日あたりの単価を掛けて算出する方法です。1人が1日で行う作業の量を「人日(にんにち)」と呼び、「デザイン◯人日×単価」のように見積もります。作業の中身が決まっていない段階でも見積もれる一方、日数が増えれば金額も増えます。このほか、第2章のディレクションのように、ほかの項目の合計に割合を掛けて出す項目もあります。
同じ作業を対象としていても、算出方法が異なる見積もりは、記載された項目をそのまま並べるだけでは比較できません。比べるときは、各社に「この見積もりには、第2章の表のどの項目が入っているか」を聞いて、共通の項目に分類し直して比較します。
各社が前提とする条件が違う
3つ目は、各社に伝えた条件が違うことです。電話や打ち合わせで条件を口頭だけで伝えると、会社ごとに認識のずれが生じることがあります。ページ数を「20ページくらい」と伝えれば、20ページで見積もる会社も、余裕を見て25ページで見積もる会社もあります。
見積もりを比べられるようにするには、各社に同じ条件を書いた依頼書(提案依頼書)を渡します。 依頼書には、目的、作り直す範囲、予算、公開したい時期、そして残すページの一覧を入れます。この一覧が、なぜ見積もりの金額に関わるのかは、次の章で説明します。
リニューアル特有の費用:移行・転送・URLの整理
第2章の表の中で、リニューアル特有の項目が「移行と転送」です。見積書では「データ移行」「コンテンツ移行」「リダイレクト設定」「URL設計」などの名前で出てきます。
作業量は、移行・転送するページ数で変わる
移行は、今のサイトのページの中身を、新しいサイトへ移す作業です。転送は、ページのURLが変わるときに、古いURLを開いた人を新しいURLへ自動で案内する設定で、リダイレクトとも呼びます。
どちらの作業量も、今のページを「URLもそのまま残す」「中身は残すが、URLを変えて転送する」「残さない」の3つに分類したときの、それぞれの件数によって変わります。残すページ(そのまま残すページと、転送するページ)が多いほど、移す手間が増えます。転送するページが多いほど、古いURLと新しいURLの組み合わせを1件ずつ決めて設定する件数が増えます。残さないページは、開いたときに「このページはもうありません」と表示され、検索エンジンにもページがなくなったことが伝わるように設定します。
見落としやすいのは、お知らせやブログ、施工事例のように、同じ形のページが積み重なっているところです。会社概要やサービスのページは数ページでも、お知らせが何百件もあるサイトは珍しくありません。今のサイトに何ページあるかを数えないまま見積もりを頼むと、この作業量は、制作会社が想定で決めることになります。
転送しないまま公開すると、古いURLが開けなくなる
URLが変わるページについて、転送を設定しないまま公開すると、古いURLを開いた人には「ページが見つかりません」と表示されます。検索結果に出ていた古いURLや、ほかのサイトに掲載されたリンクから訪れた人も、目的のページへたどり着けなくなります。見積もりにこの項目が入っていなければ、誰が設定するのかを、発注の前に決めておきます。
URLの変更が検索順位に与える影響や、転送の設定方法は、ホームページリニューアルの記事の「リニューアルで検索順位は落ちるのか」の章で、Googleの資料をもとに解説しています。この記事で押さえておきたいのは、URLを変えるリニューアルでは、転送は「できれば行う」作業ではなく、公開日までに済ませておく必要がある作業です。
見積もりの前に、残すページの一覧を作って渡す
この作業を見積もりに正しく入れてもらうには、見積もりを頼む前に、この一覧を作って渡します。一覧では、今のサイトのページを1行ずつ並べ、上の3つに分けます。更新の仕組み(CMS)を入れ替えると、今のURLを引き継げないことがあるので、「URLもそのまま残す」にできるかは制作会社に確かめます。
ページの書き出しは、CMSの管理画面にあるページや記事の一覧から始めると、漏れにくくなります。管理画面を見られない場合は、今のサイトを作った制作会社に、ページの一覧を出してもらいます。お知らせのように数が多いページは、1件ずつ決めなくても、「お知らせは全件、中身を残して転送する」のように、種類ごとに決めてかまいません。
一覧を渡すと、制作会社は、移すページと転送する件数を数えたうえで見積もれます。各社が同じ一覧をもとに見積もるので、移行と転送の費用も、会社どうしで比べられるようになります。新しいURLを決めて古いURLと組み合わせる対応表は、一覧をもとに制作会社が作ることが多いですが、見積もりに入っているかは確かめておきます。
一覧は自社で作れます。どのページを残すかは、掲載内容や閲覧者を最もよく把握している自社で判断できます。手間は、ページの数に比例します。どのページを残すべきかの決め方は、リニューアルの進め方の記事で解説しています。
関連記事ホームページリニューアルとは?進め方と、検索順位への影響を抑える変え方
見積もりが届いたら、この項目について次の3つを確かめます。「一式」とだけ書かれていたら、中身を聞きます。
- 移行の対象は何ページか。お知らせやブログも含まれているか
- 転送の設定は何件分含まれているか。古いURLと新しいURLの対応表は誰が作るのか
- 残さないページが、「このページはもうありません」と正しく返る設定になっているか。転送と同じ項目に入っているか
費用を抑えるために、自社で準備できること
見積もりの金額を抑えるには、単に値引きを求めるのではなく、依頼する作業の範囲を減らすことが重要です。制作会社に依頼すると費用が発生する作業のなかには、自社で対応できるものがあります。
どの作業を自社で引き受けるかは、制作会社に「この作業を自社で対応した場合、見積もりの金額がいくら下がるか」を出してもらってから決めます。原稿のように、社内の手間がかかる作業もあるからです。
残すページの一覧を作る
第4章の一覧です。一覧がなければ、今のサイトを洗い出す作業は制作会社が担当することになり、その分も見積もりに入ります。一覧を渡せば、その作業が要らなくなります。
移行と転送の費用は、想定ではなく実際の数で見積もられます。お知らせが多いサイトでは、想定より増えることもありますが、公開直前に想定外の追加費用が発生する事態を防ぎやすくなります。また、一覧で「URLもそのまま残す」に入れるページを増やせば、転送を設定する件数が減ります。できるだけ今のURLのまま残すことは、検索への影響を抑えるだけでなく、費用を抑えることにもつながります。
原稿と写真を用意する
原稿を制作会社に書いてもらうと、取材や打ち合わせの時間も含めて、費用がかかります。自社の事業に最も詳しい社内担当者が下書きを用意するだけでも、原稿作成にかかる費用を抑えられます。写真も、手元にあるものを使えるなら、撮影の費用がかかりません。
ただし、原稿を自社で書くと決めたら、その提出期限を守ることが大事です。原稿が遅れると、公開日も遅れます。
初回に制作するページを絞る
最初から全部のページを作り直さなくても、会社概要、サービス、問い合わせのように、必要なページから作って公開し、残りは公開したあとに追加していく方法があります。初回に制作するページ数を減らせるため、公開までに必要な初期費用を抑えられます。ただし、あとから追加するページの制作費は別途必要です。公開後にページを追加するときに、自社で書き換えられる更新の仕組み(CMS)があれば、制作会社に頼まずに追加できます。
見積もりは、同じ条件で取る
第3章のとおり、各社に同じ依頼書を渡して見積もりを取ります。比べられる見積もりがそろえば、どの会社のどの項目が高いのかが分かり、その項目について理由を聞くことができます。
補助金を使う
自社の作業とは別の抑え方として、補助金を使える場合もあります。国の小規模事業者持続化補助金では、ホームページの費用に当たる「ウェブサイト関連費」の補助額は、30万円までです。ホームページだけでは申請できず、交付が決まる前に発注した費用も対象になりません。使える制度と戻る額、補助金を待つか先に作るかの決め方は、ホームページ制作に使える補助金の記事で解説しています。
関連記事ホームページ制作に使える補助金とは?使える制度と戻る額、待つか先に作るかの決め方
公開したあとにかかる費用
リニューアルにかかる費用は、ホームページを公開して終わりではありません。公開したあとも、毎月・毎年かかる費用があります。
| 項目 | 中身 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| サーバー | ホームページのデータを置いておく場所 | 月数百円〜数千円 |
| ドメイン | 〇〇.co.jp のようなアドレス | 年数千円 |
| 保守 | CMSやプラグインの更新、セキュリティ対策、バックアップ、不具合への対応 | 最低限で月1万円ほど。内容によって月数万円 |
| 更新作業の依頼 | ページの追加や文章の差し替えを、制作会社に頼む | 月額、または1回ごと |
※金額の幅は、第1章と同じ資料をまとめたもの(2026年9月28日時点)。サーバーとドメインは、契約する会社とプランで変わる。
表の「更新作業の依頼」に当たる作業のうち、文章の差し替えなどを自社でできるかの見分け方は、ホームページの更新の記事で解説しています。
関連記事ホームページの更新方法は?自分で直せる範囲と、直したあとに確かめること
保守の月額は、何が含まれるかで変わります。CMSの更新、バックアップ、不具合への対応のうち、どれが何回まで入っているかを、見積書で確かめます。
とくに、更新の仕組み(CMS)を入れたサイトでは、CMS本体や、機能を追加するための部品であるプラグインには、定期的な更新が必要です。更新せずに放置すると、セキュリティ上の弱点が残ったままになります。この更新を誰が担当するかは、見積もりの段階で決めておきます。
サーバーやドメインの契約と保守をあわせた、公開したあとに続く仕事の中身と、保守の月額に何が含まれているかの聞き方は、ホームページの管理の記事で解説しています。
関連記事ホームページの管理とは?やることと、最初に確かめる契約・名義・期限
見積もりを比べるときは、制作の費用だけでなく、公開したあとの費用も一緒に出してもらいます。制作費が安くても、保守費用が高ければ、数年間の総額ではほかの会社より高くなることがあります。支払いの時期や条件(着手時と納品時に分けて支払うかなど)も、あわせて確認しておきます。
ARROWSのリニューアルの料金と進め方
ARROWSでは、いまのサイトのリニューアルもお受けしています。コーポレートサイトの制作費は、100〜200万円が目安です(税別)。下層のページ(会社概要・事業内容・サービス・実績・採用など)が6ページほどで100万円前後、20ページほどで200万円前後で、トップ・お知らせ・お問い合わせのページを含みます。
リニューアルでは、いまのサイトのアクセスの状況を確かめ、これまでの検索の評価に配慮しながら作り替えます。URLが変わるページは、古いURLから新しいページへ転送する設定をし、公開のあとに、検索での表示が落ちていないかを確かめます。いまのページの移行と、この転送の作業は、制作費に含みます。お見積もりは、いまのサイトのページ数と内容を見てからお出しします。第4章の残すページの一覧があれば、ご相談の際にお送りください。
第5章の「初回に制作するページを絞る」は、最初に頼む範囲を減らす方法でした。価値最大化Web制作は、作るページは最初に決めたまま、できたページから公開していく進め方です。会社概要とお問い合わせ窓口を先に公開できるので、取引先や求職者に、古いサイトを見せ続けずに済みます。費用を抑えるためではなく、制作の途中からサイトを働かせるための進め方なので、制作費は完成後にまとめて公開する場合とほぼ同じです。お支払いは、ご発注時と完成時の2回です。
まとめ
見積もりの金額の違いは、見積もりに含まれる作業の範囲、金額の算出方法、各社に伝えた条件の違いから生まれます。また、リニューアル特有の移行・転送の費用は、今のページを「URLもそのまま残す」「URLを変えて転送する」「残さない」に分けたときの、それぞれの件数によって変わります。
まずは今のサイトのページを書き出し、残すページの一覧を作りましょう。その一覧を、目的・範囲・予算・時期と一緒に依頼書に入れて見積もりを頼めば、各社の金額を同じ条件で比べられます。




